研究の考え方

1. 概要

 福島子ども健康プロジェクトは、社会学を中心にしながら、公衆衛生学、環境学などの分野でこれまで仕事をしてきた7名の研究者が、協力して行う研究です。対象者は、福島県内の9市町村において、現在3歳前後のお子さんをお持ちの皆様です。 健康への不安、放射線への不安、求められる社会的支援などを明らかにした上で、皆様の苦境を少しでも軽減することを目指して、健康相談会やワークショップを定期的に行うことを目指しています。

 

2. 対象者

 福島市、郡山市など中通りの9市町村の3歳児全員(2008年(平成20年)4月2日から2009年(平成21年)4月1日までのお生まれのお子さん、平成24年10月現在、6,197人)を対象とします。

 

3. 研究方法の特徴

1)アンケート用紙の郵送による横断的調査

 本プロジェクトの出発点としての調査は、2013年1月をめどに、皆様に一斉にアンケート用紙をお送りし、それにご記入いただき、ご返送いただく形で行われます。

 このように、ある時点で、一斉に行う調査を、横断的調査といいます。健康・生活・不安など、人々の心身に関連する要因は、時間の流れと共に変化します。横断的調査とは、この時間の流れを横切る(横断する)形で、ある一時点(本調査の場合は2013年1-2月)での様子を調べる調査です。横断調査を行うことで、子育て中の皆様やお子さんが置かれている現状(ベースライン)や、今後に向けた課題が明らかになります。

 

2)縦断的調査とアクションリサーチによる変化の把握と課題解決

 前項の横断的調査で明らかになった現状や課題は、一定のままではなく、時間と共に、今後変化していくと考えられます。よい変化もあれば、心配な変化もあるかもしれません。課題として、解決するものもあるでしょうが、さらに大きな課題が現れるかもしれません。 縦断的調査とアクションリサーチとは共に「変化の把握と課題解決」を目指す研究方法です。

 中でも縦断的調査は、変化の把握に重点を置いた研究方法であり、最初の横断的調査で明らかになったベースライン(育児の現状、母子の健康の現状、放射能への不安)などが、2013年以降、どのように変化するかを取り上げます。今後の報告会などの折に、その後の様子をお聞かせいただいたり、数年後に、簡単な調査票を再度お送りして、現状をお教えいただくことがあるかもしれません。

 一方、アクションリサーチは、課題解決を中心として行われます。今後の報告会やワークショップなどの機会に、皆様の現状や課題をお教えいただき、私たち6名の研究者も協力させていただきながら、可能な範囲で課題の解決を目指します。

 

4. 個人情報保護と情報の社会への発信

 本プロジェクトでは、子育てをしておられる皆様に、生活や健康の現状や不安などをお教えいただきます。皆様ご自身やお子様の現状には、普段は家族や知人にも話さない個人的なこと、心の中のことも含まれているでしょう。調査の中でお教えいただく皆様のお考えについては、その秘密を守ることを、最大限心がけます。

 お送りいただく調査表は、匿名化して分析し、お一人お一人の個人情報が外にでることはありません。本調査は6名の研究者が所属する大学の倫理審査を経て行われ、必要な分析が終了したら、個人情報は全て消去いたします。

 個人情報の保護と秘密の保持は、調査を進める上での基本ですが、得られた貴重な結果は、可能な範囲で公開し、調査に協力してくださった皆様の状況がより改善される方向で、役立てて行きたいと思います。結果のどの部分をどのように、誰に向けて公開するか、このプロジェクトからのメッセージをどのように発信して行くかについては、6名の研究者の中で十分に話し合い、また皆様のお考えもお聞きする中で、決めて行くつもりです。

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