紹介:田中美加

田中美加 (たなか みか) の プロフィール

    専門は地域保健,公衆衛生看護,環境保健,国際保健.これまでの主な研究テーマは「人々の健康と環境要因との関連に関する国際的研究」や「認知行動療法を用いた睡眠保健指導の効果に関する研究」など.出身は福岡県で,中学生と大学生の2児の母です.

    大学院では,動物モデルを使って胎児への化学物質曝露の影響の研究や,インドネシアにおいて母親と子どもの農薬曝露の影響を研究しました.現在,インドネシアなどの途上国では農業は主要な産業で,生産量を増やすために従来の農法から化学肥料や農薬を使用した近代的な農業へ転換しています.しかし,危険性の高い農薬なども使用されておりその保管や使用法に関してはきちんと管理されていないのが現状です.もっとも影響が懸念されるのは子ども達で,食事や日常生活活動からの曝露をきちんと評価する必要があります.また,防御機能が未熟な胎児期や新生児期,乳児期はもっともリスクの高い時期で,胎盤や母乳を通しての曝露,つまり母親の暴露状況を評価することが重要です.これらの研究から,環境汚染で最も脆弱なのは子どもや母親であり,正確なリスク評価や対策を優先的に講じる必要性を強く感じました.

    九州へ戻り,縁があって成さんや牛島さんと一緒に(2人の研究に対する誠実さとガッツに感服)不知火海沿岸地区(水俣病発症地区)の健康調査をさせていただきました.この調査では,50年前に起こった環境汚染が長期間にわたって個人に身体的・精神的な影響を与え,さらにコミュニティにも社会的な影響を与えることを再認識しました.現在は,少し方向性が異なりますが,認知行動療法を使った睡眠に関する研究を行っています.

    今回の「福島こども健康プロジェクト」には,研究としての意義の大きさのみならず,被災された子ども達やお母さん方のためにできることを探したいという子どもを持つ母親としての気持ちから参加いたしました.これまで,様々な国々で子ども達と会ってきましたが,貧しい国も豊かな国も子ども達の笑顔は同じです.世界中どの国においても,素直に屈託なく笑う子ども達はかけがえのない宝です.「福島こども健康プロジェクト」が少しでも福島の子ども達とお母さんのためになるよう力を尽くしたいと思います.

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